この愛すべき本:「僕はのっぽの大リーガーだった」
「僕はのっぽの大リーガーだった」という本が、ナチュラルスピリット社から刊行されています。
非常に素晴らしい本で、私は購入してすぐ、夜更かしして一気に読了してしまいました。
転生について全く信じていなかった母親に、自分の前世を語り始めた超野球好きの少年の実話が、
母自身の葛藤と探究のプロセスを経て書き記された、大変読ませる読み物です。
この本が秀逸なのは、色々な点がありますが、個人的に思いつくままに列挙いたします。(ネタバレがありますので、ご注意ください🙇)
- 母も父も、生まれ変わりについて全く信じていなかった。そのお母さんが、息子の言うことを否定しきれず、伝統的なキリスト教の教えに反すると思われる転生について探究していった面白さ。
- イアン・スティーブンソン博士グループの研究と非常に多くの点が一致しているところ。以下、いくつか列挙。
- 「睡眠前に語り出すことが多い」→実際、主人公のクリスチャンくんも、睡眠前に語ることが多かった。
- 「幼少期に思い出すことが多い」→2歳ごろから語り出した。
- 「前世を思い出す子は、事故死や突然死のケースが多い」→前世でALSで亡くなった。
- 「息ができなくなる」という恐れをクリスチャンくんは持っており、前世ではALSで呼吸ができなくなって亡くなっていた(体質の類似)。
- 「えくぼ」が、クリスチャンくんも、前世の人物もかなり似ている(身体的特徴の継承)。
- 野球の「投球」や「バッティング」のフォームが、似せたわけでないのに似ている(技術の継承)。
- クリスチャンくんも、前世の人物も、猛烈な練習の虫(傾向の継承)。
- 「ベーブ・ルースは悪いやつだ!」とクリスチャンくんが嫌悪をあらわにした。実際、前世の人物もベーブ・ルースと不仲に終わった(好みや感情の連続性)。
- 幼い子どもが普通知り得ないような、過去の大リーグ界の話を、詳細に語り出して、ことごとく事実と一致していたこと(記憶の継承)。
- クリスチャンくんもドイツ系アメリカ人であり、前世の人物も同様であったこと(土地とのご縁)。
- 著者のお母さんも、前世でもクリスチャンくんの前世の人物の母であった。多くの野球少年たちから慕われる傾向があること(関係性の類似・継承)。
このような感じで、様々な点で、転生の足跡が見て取れる話でした。
特に、最初は完全に両親が否定していたのに、幼いクリスチャンくんの訴えに耳をかさざるを得ず、探究する中でだんだんその真実性に目覚めていった、というドキュメンタリー性に、一級の読み物としての面白さを覚える秀作でした。
ハリウッド映画として撮影されているようで、きっと日本でも公開されるでしょうから、今から楽しみです。
クリスチャンくんのお話は、「生まれ変わり」の実際が世に知られる重要な契機となると思います。
素晴らしいご家族の物語が、こうして世に知られることとなったことに、ありがたみを覚えます。
併せて、ぜひ以下の記事もご覧ください。
・子どもの前世研究から見える諸傾向
・転生事例検証の確認ポイント(22項目)
・私の職場サイトに記載した書評記事